島﨑 寛が考えるバイクライフ
一生一緒でも飽きないパートナー
-ショップの特徴を。
島﨑 スズキは昔から技術屋さんが多く、これまで腕一筋でやってきました。SBS(SUZUKI BIG SHOP)は県内に3店舗あります。つながりもあって仲良くやっています。なかでもうちの店は、「最後の駆け込み寺」的な存在ですかね。キャブレターをいじらせたらどこにも負けない腕と自信があります。お客さんの友達が初めて来店した際に、「ちょっとバイクを触らせてくれんか?」って聞いて10分ぐらいですかね、キャブレターを調整してみるんですよ。そうしたら、その人が、「え、これ本当に俺のバイクですか!」って驚くぐらい走りが違ってくるんですよ。だから、バイクは面白いんですよ。
新車でも中古でも同じです。日本全国縦長でしょ。温度や湿度が土地によって違ってくるんですよ。だから熊本の気候に合ったセッティングをしてあげることが大切なんですよ。エンジンの音を聞いたら調子が良いか悪いかすぐわかりますよ。「エンジニアを超えたへんジニア」なんて冗談言ってますよ(笑)
-最近の傾向などはどうですか。
島﨑 子育てが終わってバイクに戻ってくる50歳過ぎの人が多いのは確かですね。だけど、サーキットで走行会とかする時に、昔バイクに乗っていて久しぶりにバイクライフを再開するお客さんには、「今のバイクは昔と違って、ローで150km、セカンドで200kmも出るんですよ。すごく乗りやすくなってるけど、パワーがあるから、用心して走らないといけないよ」って言ってます。
あとは、もう少し若い層の人にもバイクに触れる機会が増えるようにどうしたらいいかなって、しょっちゅうバイクショップの仲間たちと話していますよ。
-おすすめのバイクは。
島﨑 「SUZUKI GSX250R」です。ストリートスポーツモデルとして誕生したスズキの「GSX250R」、街乗りでの使いやすさとツーリングでの快適性、幅広い日常的シチュエーションで走る楽しさを乗る人に伝えてくれる一台です。さらに、スズキらしいスポーツマイドを重視しながらもスタイリッシュなデザインで、求めやすい価格に抑えられているのも魅力ですよ。若いライダーの皆さんにももってこいですよ。
-バイクとの出会いは。
島﨑 高校生の時に今はもうないんですが、昔、花岡山あたりにレースサーキットがあって、そこでバイクに乗り始めたのがきっかけでしたね。スズキのAC50スクランブラーとかで仲間たちとよく走ってました。それからバイクがどんどん面白くなっていったんですよ。自動車や重機など色々経験して、自分で勉強して29歳の頃にお店を持ったんですよ。もう34年になります。
-バイクに乗る際に気を付けていることは。
島﨑 お客さんたちには、いつも必ず「用心して帰れよ!」と声を掛けるようにしてますね。サーキット場に集まってみんなで走る時もいつも、「今日は(普段、街乗りの)時速プラス5㎞で走れよ。レースじゃなかけんね、走行会だけんね!」と口を酸っぱくして言ってますよ。だから、うちのお客さんには道路でもサーキットでも事故は少ないんですよ。
-思い出に残るツーリングスポットは。
島﨑 写真撮るのも好きですので、色々なところに行っては気持ち良い眺めを背景にバイクの写真を撮ったりしてきました。そうですね、やっぱり一番の思い出に残っているツーリングは、南阿蘇・高森峠から続く九十九曲がり(くじゅうくまがり)の道で兄貴と二人で走っているときに、誤ってブレーキとギアを踏み間違えて二人一緒に竹やぶに突っ込んだときのことは忘れられませんね(笑)。
-人生においてバイクとは。
島﨑 バイクは趣味であり、仕事であり、一日中バイクを触っていることが自分にとって何よりも喜びなんですよ。他の店ではどうにもならないバイクがうちに回ってきて、修理後に「カーン、キーン」って調子良いエンジン音を響かせながら帰っていく瞬間が嬉しいですよ。
バイクの調子は、音でわかるんですよ。音はエンジンの動きなんです。だから目を閉じて耳をすませれば、一発でそのバイクの調子がわかるんですよ。耳と鼻と目、五感を使ってこの音に加えて、マフラーから出る匂い、そしてバイクの動きを感じるのがバイクなんです。若い時からずっとバイクと付き合ってきてました。だからバイクは、一生一緒でも飽きのこないパートナーですかね。
-ありがとうございました。
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バイクランド島 SBS熊本
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